冬の絶景日本海を行く五能線の旅
五能線は秋田県北部の東能代駅から青森県津軽地方の川部駅まで、約150キロを結ぶローカル線。一度は乗ってみたいローカル線として全国的に人気を集めている。車窓の大半で日本海が見られるという景勝路線ゆえに鉄道ファンの間では有名である。1990年にJR東日本が「ノスタルジックビュートレイン」という観光列車の運転をはじめたことで、観光客にも徐々にその人気が浸透していった。現在では快速「リゾートしらかみ」という名の観光列車が走っている。外観スタイルが異なる「青池」「橅(ブナ)」「くまげら」の3編成があり、どの列車にも日本海の風景をワイドに楽しめる展望室や家族連れ・グループ旅行に最適なボックス席が用意されている。
奇岩に打ち寄せる波や白神の山々など、美しい風景を堪能
今回の旅は秋田駅8時24分発快速「リゾートしらかみ1号」に乗車したので、東能代までは奥羽本線を走る。能代市の中心部能代駅までは一面に雪原が広がる車窓風景だが、北能代を通過したあたりから雪も激しくなりいよいよ「五能線」らしい風景が車窓に広がってくる。座席は当然のように進行方向左手の海側を確保した。八森を過ぎたあたりから海がちらちらと姿を現す。この先は変化に富んだ海岸線が連続し、大小の海蝕崖の姿が海原に見え始めた頃、青森県に入る。このあたりは五能線のハイライト。迫力ある車窓が続く所で、目が釘付けになる。五能線は断崖絶壁の縁を走るため高さが違う。「粉雪舞う灰色の空、不機嫌に荒れた鉛色の日本海を眺めながらの旅は冬の五能線の最大の魅力」だ。
列車は海に臨むリゾート地「エェスパ椿山駅」に停車する。この駅からは団体客などの多くの乗客が乗ってきたので空いていた席は全て埋まった。 これから先も海岸線は延々続き、レールは艫作(へなし)崎の出っ張りに沿って北上。深浦町にはいる。沿線の中心駅である深浦を過ぎると深浦海岸、そして波の音がホームに響くいくつかの駅を通過して風合瀬(かそせ)という響きの良い駅を過ぎると、次の見所は奇岩と岩場が広がる千畳敷海岸だ。観光列車だけあってポイントポイントでの丁寧な説明が車掌によって行われ、眺めの良い岩館駅周辺とここ千畳敷周辺では、列車のスピードを落として風景がゆっくり楽しめるようなサービスも提供されている。そして五能線最後の海の景勝スポットが遠ざかりながら北上を続け、鰺ヶ沢(あじがさわ)駅に着く
津軽三味線生演奏
外は日本海の白波が打ちつける中 、途中の鰺ケ沢駅~五所川原駅間では津軽三味線の生演奏を聴くことができます。演奏者は2名。津軽三味線独特のテンポに乗せて「津軽じょんから節」など代表的な民謡が演奏されます。荒々しい日本海と軽快なテンポが良く合います。 演奏者は鰺ヶ沢から五所川原間を往復するので、2人1組で1日中同じ同じ方が演奏します。
ボクが趣味としている津軽三味線演奏では「鰺ヶ沢甚句」をよく弾いている。「鰺ヶ沢甚句」は本調子で演奏される代表的な曲ですこぶる弾きやすからである。この先、車窓右手には津軽富士の岩木山が登場。津軽鉄道が接続する五所川原駅からリンゴ畑を走り抜け、川部駅から奥羽本線に入ると間もなく弘前駅に到着する。
2011/1/14(金)
駅一覧
東能代駅―能代駅―向能代駅―北能代駅―鳥形駅―沢目駅―東八森駅―八森駅―滝ノ間駅―※あきた白神駅ー岩館駅―大間越駅―陸奥黒崎駅(白神岳登山口駅)―松神駅―(臨)十二湖駅―陸奥岩崎駅―※ウェスパ椿山駅ー陸奥沢辺駅―艫作駅―横磯駅―深浦駅―広戸駅―追良瀬駅―驫木駅―風合瀬駅―大戸瀬駅―(臨)千畳敷駅―北金ヶ沢駅―陸奥柳田駅―陸奥赤石駅―鯵ヶ沢駅―鳴沢駅―越水駅―陸奥森田駅―中田駅―木造駅―五所川原駅―陸奥鶴田駅―鶴泊駅―板柳駅―林崎駅―藤崎駅―川部駅
※ 印 は昭和50年(1975年)以後に設置された新駅。( )は新駅名。
※ 「赤」の駅は硬券と駅スタンプが表示されています。
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