いすみ鉄道に揺られて房総路の山里の秋を満喫
いすみ鉄道は、旧国鉄の木原線を引き継いだ第三セクター路線
いすみ線は、千葉県いすみ市の大原駅から、千葉県夷隅郡大多喜町の上総中野駅間を結ぶ26.8kmのいすみ鉄道の鉄道路線です。外房線大原駅から分岐して房総半島東側から内陸部に入り、上総中野駅で接続する小湊鉄道と併せて半島横断線を形成している。国吉~総元間付近では夷隅川に沿って線路が敷設され、かつての国鉄木原線です。いすみ鉄道に転換される前の約1年、JR時代があったことはあまり知られていない。木原線の名前の由来は「木更津」の木と「大原」の原から付けられている。しかし木更津(というより久留里線上総亀山駅)には到達しませんでした。沿線の駅名は国鉄時代と変わらずパクリと言われても仕方がない。さらに国鉄から第三セクターに転換されると駅の数も増える路線が多いのに、全く増えていない珍しい路線と言える。
黄色い車体にムーミンのキャラクターがラッピングされた車両
平日は鮮やかな黄色のディーゼルカーが地元の生活の足として活躍している。このディーゼルカーは車体にムーミンのイラストが描かれており、「ムーミン列車」と呼ばれ親しまれている。土・休日になると、平日の黄色い列車に加えて、昭和の国鉄時代に活躍していた懐かしいディーゼルカー(キハ52とキハ28)が「観光急行列車」として登場、ヘッドマークは土曜が「夷隅」、日曜が「そと房」。車内の中吊広告、ネットの網棚など昭和40~50年代の国鉄時代のものを使用していて、まるごと昭和の匂いがプンプン漂っている。急行列車に乗車するには、目的地までの乗車券やフリーパスに加えて急行券(指定席¥600・自由席¥300)が必要ですが、この急行券も凝っていて、なんと国鉄時代の硬券と同じ地紋の切符。この郷愁誘う空気とレトロ感もたまりません。土・休日にいすみ線に乗車するのであれば、おススメだ。乗車券については、大原から大多喜以北を往復するのであれば、いすみ鉄道全駅1日フリー乗車券(大人¥1000)がおススメ。通常の乗車券を買うよりもお得です。
青空が広がる、爽やかな晩秋の一日、小湊鉄道終点の上総中野に着いたのは12時28分。ここからいすみ鉄道いすみ線で大原へ。大原行は13時55分発、出発まで1時間30分もの余裕っがあった。ちょうどお昼時でもあり駅前のお蕎麦屋「なかじまや」でゆっくりとお昼ご飯を食べることにする。駅周辺にはこのお店以外にはスパーどころかコンビニも一切ないので、ただ待つのはかなり辛い駅と言えそうです。大原からの折り返しとなるディーゼルカーが上総中野に到着したのは13時37分、大原から乗車した年配の20人位の団体さんが降りてきて、静かだった駅は急に賑やかになった。この団体さんは時間が迫ると再び乗り込み大原に戻って行く。大原に着いた団体さんは待っていたマイクロバスに乗り込み、大原を後にして、次の目的地に向かって行った。バス観光では廃線が予定されている路線や人気のある路線の一部区間を観光モデルコースに組み入れることがあるようだ。JR北海道江差線(木古内~江差間)、津軽鉄道(津軽五所川原~津軽中里間)、長良川鉄道(美濃太田~北濃間)などで団体さんが一部区間をドカドカと乗り込んで来る光景を経験したことがあるが、全路線を往復するのは珍しい。東京から手軽にレトロな旅ができる路線として観光客も確実に増えている。
車窓に広がる田園風景
上総中野を定刻に発車した列車は、間もなく山深い山里の風景が広がるく林の中を上りながら山岳地帯に入り、そして下りながら総元へ。総元から夷隅川を2度渡れば山林に挟まれた秘境駅ランキング52位の久我原に到着する。カーブする開けた車窓風景の中に列車を撮影している撮り鉄の姿を発見して東総元に、小谷松を出たら直ぐ、進行方向右手に注目する。
ディーゼルカーは夷隅川の鉄橋を渡る。このとき大多喜城が望めるのでシャッタチャンスを見逃さないように。もっとも運転手さんの粋な計らいでゆっくりと走ってくれるし、車内アナウンスもあるのであんしんできる。
次は路線の中心駅大多喜。大多喜は戦国時代からの城下町。ここでぜひちょっと途中下車して、さらにタイムトリップの時代をさかのぼってみるのもいいだろう。列車は山深い内陸から昔と変わらぬ房総の里山の間を抜けて長閑な田園風景の中を走り、西大原から右に大きくカーブして終点大原に着いた。
ニッポンの春満喫!車窓からのお花見
房総の山里を走るいすみ鉄道いすみ線は、特別な絶景はないものの都心と近く魅力に溢れている。車窓には、今も変わらずに残る四季折々の風景が展開される。春の菜の花と言えば房総が有名ですが、特にいすみ線は菜の花の脇を通る路線として知られ、総元、東総元、城見ヶ丘、新田野付近の開花は見事です。見頃は2月下旬から4月中旬くらいまで長く楽しめます。更に、3月下旬から4月上旬にかけて桜が満開になる頃には、新田野駅では線路を挟んで並ぶ黄色とピングのコントラストも見事な菜の花と桜の競演が観賞できます。
駅一覧
上総中野駅ー西畑駅ー総元駅ー久我原駅ー東総元駅ー小谷松駅ー大多喜駅ー城見ケ丘駅ー上総中川駅ー国吉駅ー新田野駅ー上総東駅ー西大原駅ー大原駅
2016年10月24日(月)
コメント
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