秋田名物 内陸縦貫鉄道!
またぎの里・昔ながらの素朴な原風景をぶらり旅。
「車窓の旅」は混雑シーズンからずれる時期を選んで出かけている。のんびり気侭な一人旅だから出発は10時前後、地方での場合は午前7時から13時の間でまちまちで無理をしないようにしている。今回の「車窓の旅」は「青い森鉄道」にも乗るため前日の3日に八戸駅から青森駅に向かっている。
今日は青森出発午前8時、出発は早い方だ。先ず東北新幹線で盛岡に出た。盛岡駅からは花輪線を利用、大館駅経由で鷹ノ巣駅に入った。鷹ノ巣到着は14時22分。ローカル線は本数が少なく乗り換えに時間がかかることも多いのでこの時間到着でもいたし方ない。
秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣駅にはJR鷹ノ巣駅と違い、駅名に「ノ」がない。駅長に理由を訊ねたところ、ここ辺りの地名(北秋田郡鷹巣町)には「ノ」がつかないのが理由とのことであった。(2005年3月22日には同じ北秋田郡の森吉町・合川町・阿仁町と合併して北秋田市となっている)。国鉄阿仁合線だった時代には「鷹ノ巣駅」という1つの駅であった。第三セクター転換時に秋田内陸縦貫鉄道の駅舎が別に建てられたのを機に「鷹巣駅」と呼称している。
ディーゼルカーは鷹巣駅を出て米代川橋梁を渡ると、合川駅辺りからは阿仁合川に沿いながら走ります。本来なら清らかな渓流の阿仁川なのだが昨夜来の上流の仙北市大雨の影響で阿仁川は茶色い濁流となって激しく流れていた。ディーゼルカーは川に沿いながら走るためトンネルも少なくカーブが多いのは景観からも大歓迎だ。
ほどなく阿仁合駅、この駅には秋田内陸縦貫鉄道の本社と車庫があり、駅構内には側線が広がっている。かつては阿仁鉱山の鉱石を運搬する専用貨物線があった。
ここで運転手と愛想のいい女性車掌が交代、しばらく停車する。 阿仁合駅を出ると地形は険しくなり、ーーディーゼルカーはグォーン、グルグル、ガガ~gaga~と重たいエンジンを響かせながら上り勾配を上って行くーー。荒瀬駅、笑内駅(おかしないえき)など4つの駅を過ぎれば信号機の先に国鉄時代の阿仁合線終点、比立内駅が見えてくる。
阿仁マタギ駅を過ぎると行く手が山に遮られ、打当川(うっとうがわ)の鉄橋の先には秋田県内最長の十二段トンネル(5697m)がポッカリと口を開けている。 このトンネルで一気に分水嶺をくぐり抜ける。その後もトンネルが続き、線路は直線状に延びてディーゼルカーは ーー夏雲浮かぶ高い空の下、心地よいリズムのジョイント音と軽快なエンジン音が車内に響きわたり快適だーー 。
ほどなく松葉駅に到着、ここで新線区間は終了。 これからは角館区間。松葉駅から八津駅、西明寺駅など4つの駅を通過して、国道46号線をくぐると車窓の左に電化された田沢湖線(秋田新幹線)が見えてきた。
しばらく併走して、右側に車庫が見えるようになれば、間もなく終点の角館駅。 秋田の自然に囲まれた「素朴な風景と人情」が忘れられない「車窓の旅」でした。 2011/7/4
駅一覧
赤の駅は切符・駅スタンプ(ない駅もあります)、青の駅は駅スタンプがご覧になれます。
鷹ノ巣駅―小ヶ田駅―大野台駅―合川駅―上杉駅―米内沢駅―桂瀬駅―阿仁前田駅―小渕駅―阿仁合駅―荒瀬駅―萱草駅―笑内駅―岩野目駅―比立内駅
(新線区間)
(比立内駅)-奥阿仁駅―阿仁マタギ駅―戸沢駅―神桧内駅―左通駅―羽後中里駅
(旧角館線)
(羽後中里駅)-松葉駅―羽後長戸呂駅―八津駅―西明寺駅―羽後太田駅―角館駅