「城端線」に乗って砺波平野を行く
チューリップ畑と日本の原風景「散居村」
城端線は高岡と城端を結ぶチューリップで有名な砺波平野をトコトコ走るロカール線。城端『じょうはな』と読みます。、美しい響きですがなかなか難しい読み方でしょう。他府県の人は「じょうたん」や「しろはた」と呼んでしまいそうですね。ホームは氷見線と反対側の南橋にあります。氷見線は直江津方向へ進むが、城端線は米原方向へ発車して左にカーブして北陸本線と離れます。ワインレッドに白帯の高岡色気動車キハ47形は高岡の市街地をしばらくを走り、最初の停車駅二塚に着く頃には田んぼののどかな農村風景が広がり、これから先はほとんど変わることなく終点の城端まで続く。列車が油田(あぶらでん)を発車すると、春ともなればチューリップ畑が見え始め、そして起点の高岡を別とすると沿線最大の都市である砺波に着く。駅舎も立派で、多くの乗客がここで降りていった。
砺波を発車すると左側には砺波平野の散居村が一望できる牛岳が見え、東野尻に着く。この地方で「かいにょう」と呼ばれている屋敷林が見えだすと高儀、富山湾に注ぐ小矢部川(おやべかわ)が近づけば福野、その支流の山田川などを渡り東石黒に到着する。列車は青い空と緑の水田に包まれながら南下を続ける。次の福光を出ると左に大きくカーブし、行く手には秘境五箇山のある山脈が少しずつ迫って来た。国道304号線が右側に平行するようになると越中山田、そして終着城端に到着する。
越中の小京都城端テクテク♪
終着の城端に近づくと山も見えるので座席は進行方向左側がおすすめ。今回は2011年(平成23年)8月23日に橋上駅として美しく変貌した高岡駅15時36分発の高岡色気動車に乗車、小1時間で終着の城端に着いた。この列車は7分後には折り返しで高岡行になるが、これをパスして次の17時43分(忍者ハットリくん列車)発で高岡に戻ることにする。駅舎は田舎の分校のような小さく素朴な木造駅舎でなかなか良い感じだ。構内には観光案内所もあり、あの世界遺産で有名な五箇山の合掌集落へのバスも出ている。
駅前にいた女子高校生に道を聞いて、帰りの列車まで「越中の小京都」といわれる城端の町中を散策することにする。駅から10分ばかり坂を上り右に曲がると町に出た。段丘状の高台に町並みが広がっている。そのため趣のある細い道がいたる所にあり、それが見所になっているようだ。集落を貫く国道304号線が拡幅された影響で両側にあったと思われる町並みがなくなり、新しい住宅やお店が並んでいる。それなりに景観に気を配っている様子は理解できるが、どうもピンとこない。観光地然とした真新しい町並みは、観光客も見当たらず静かで寂し気な雰囲気が漂い、どこにも立ち寄らず足早に駅に戻った。
2014年5月30日(金)
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