キーワードの選び方
先ず第一に注意してほしい点は、あなたが考えるキーワードではなく、あなたの顧客が検索エンジンで利用するキーワードを選択するということです。商品やサービスを普段から取り扱い、その内容を良く知っているあなたと、その商品やサービスを余り詳しく知らないユーザーが「情報を探すために利用するキーワード」は、多くの場合異なります。
例えば、数年前より話題のインターネッ網を利用した電話です。我々や業界仲間は普段から「IP電話」と呼んでいても、それを探しているユーザーは、「インターネット 電話」、「電話 ネット 通話」、「ネット 通話 無料」といったように、「インターネットを使って通話が行えるサービス」という漠然とした中からキーワードを思い浮かべて検索するものではないでしょうか。この傾向は、特に新しい商品やサービスであればより顕著になります。
検索キーワードとターゲットを絞り込む
SEO戦略の第一歩は「顧客ターゲット」と「検索キーワード」の絞込みとマーケティングです。ここでスタートを間違えると検索エンジン上位が成功したとしても売上アップにつながらないという結果になります。先ず目的をはっきりさせることがスタートになります。
「新規顧客開拓」が目的であればゴールを設定するべきです。「問い合わせ」、「資料請求」、「セミナー申し込み」、「無料診断申し込み」、「購入」の何れかを選び、それに沿ったナビゲーションをするべきです。そしてSEO戦略は言い換えれば、「顧客キーワードのマッチング」戦略です。ですから顧客の検索キーワードを絞り込み、これと自社の商品やサービス内容とマッチングさせることがポイントになるのです。言い換えればキーワード=ターゲットユーザーになります。
言いかえられる言葉を探す
同じ商品やサービスを指す場合でも、異なる呼び方が一般的に用いられている場合があります。例えば光ファイバー接続サービスであれば、「光」、「光ファイバー」、「FTTH」といったような言い換えが可能です。先のIP電話でいえば「IP電話」、「インターネット電話」、「ネット電話」になります。ホームページ制作であっても「ホームページ作成」、「ウェブ制作」、「ウェブサイト制作」というように、同じ意味でも異なる言い方ができます。このように言い換え可能な言葉からキーワードになるものを探していくことも大事です。類義語を探す方法として、株式会社言語工学研究所のシソーラスを用いるのも1つの方法です。
キーワードは複数語を選ぶこと
2語以上のキーワードかキーフレーズを選びましょう。広い意味を示す一般的な1語のキーワードは選ばないことです。例えば自動車保険会社の担当者が「保険」1語で上位表示をしたい、あるいは中古車販売業者からはよく「車」1語で上位表示をしたいといった話を受けることがあります。しかし、実際はどうでしょうか、多くの検索サービス利用者は複数のキーワードを利用して検索を行っているという統計結果があります。現在ではかなりの利用者は検索サービスに慣れるに従って、単一のキーワードや一般的な言葉では、あまりにも大量の検索結果が返ってきたり、自分が探している情報とは関係のない情報が出てきてしまうことを学習した結果でしょう。従って、キーワードを選ぶサイには、複数のキーワードの組み合わせを考えてみましょう。
よく使われる組み合わせを探す、地域名を入れる
複数のキーワードを選ぶように書きましたが、その場合、「一緒に利用されるキーワードの組み合わせ」を想像してみましょう。例えば、「自動車保険 見積もり」、「無料 英会話」、「メール マナー」はよくセットで検索されます。自分のサイトの商品やサービスのキーワードを考えるとき、よく組み合わせで検索されそうなキーワードがないかを考えてみましょう。又、地域に限ってサービスを提供しているサイトであれば、組み合わせるキーワードとして有効なのは地域名です。例えば江戸川区周辺の不動産を取り扱っているサイトであれば、「不動産 江戸川」のようにキーワードと地域名を組み合わせることで、より絞り込まれた見込み客を誘導することができます。特に、ホテルやレストランといった店舗立地型サービス業を営んでいるのであれば、近辺の有名なリゾート地や観光スポットの名前をキーワードに使うと効果的です。例えばディズニーランド周辺のホテルであれば、「ホテル ディズニーランド近く」といったフレーズが有効です。
キーワードアドバイスツールを活用する
Googleアドワーズ広告やオーバーチュアといった、広告型検索サービスを提供するキーワード検索ツールを使うのも有効な方法です。
キーワードを入力すると、その言葉を含むキーワードや一緒に検索される言葉を表示してくれます。前月のオーバーチュアで、実際にそのキーワードが何回検索されたかという検索回数のデータも表示してくれます。
オーバーチュアと同じく、キーワードを入力すると、そのキーワードを含む、よくユーザーに利用されるキーワード一覧を表示してくれます。実際の表示回数は出ませんが、上のほうに表示されるほど検索回数が多いキーワードです。往々にして、自分で思い浮かばなかった組み合わせのキーワードが出てきます。センスを磨くのに役たちます。
この2つのツールは特に、入力したキーワード以外の組み合わせのキーワードを探し出せることと、月間検索回数の予測値を知ることができますので、キーワード選定の際には十分に活用したいものです。
◇ 片手にソロバン、片手に論語 ◇
子曰く、君子は周して比せず。小人は比して周せず。
(君子は対人関係が友好的であるが、見びいきはしない。小人はその逆である。身びいきはするが、真に友好的ではない)。
孔子
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