実践Webマーケティングブログ
広告によるプロモーションとコミュニケーション 大手PR会社の社長が書いた『PR会社の時代』には、現在のプロモーション戦略について、とても的を射た意見が書かれている。 “高度成長期は既に終わり、市場、消費者が成熟してきた現代にあって、もはや周知だけでは購買(消費)にはつながらない。今の消費者は、広告というものが企業から発信される情報であることをよく知っている。どんなに「おいしいお茶ですよ」「すばらしい車ですよ」と宣伝されても、「それはあくまで広告」という思いを少なからず持っている。もちろん例外もあるだろうが、消費者が広告を「うのみ」にしないという傾向は確実に強まっている。” まさに、正鵠を射るという感じだ。旧来型の広告プロモーションやホームページプロモーションだけでは商品・サービスなどは売れない時代になっている。だからこそ、今の時代は新しいプロモーション手法が求められている。例えば、PR(広報活動)やクチコミ・マーケティングなどの非広告プロモーションが近年注目を集めているのもそのためだろう。 “広告がある商品をPRして購入を勧めているとき、それには偏見があることや、その広告はその商品を擁護していることをわれわれは充分知っている。ところが、友人や家族からすばらしい商品であるとの説明を聞くとどうであろうか、われわれは妄信に近い形でそれを信じ行動に移す。クチコミ・マーケティングの凄いところだ” ということは、現在の消費者はそれらの情報について疑い、かなり鋭敏な感覚を持ち、企業がお金を払って露出する広告や情報には、腰が引けて減点評価を下しているということではないだろうか。 クリック率はSEOによる上位表示が優れている 実際、効果が高いといわれるWebマーケティングにおける検索連動型広告でさえ、オーガニックサーチ(各検索エンジンのアルゴリズムによって評価される、広告を含まない検索のこと)の表示箇所にはクリック率という点では及ばないことでも説明がつく。以前、米国では検索連動型広告に対して、オーガニックサーチと検索する消費者の誤認混同を防ぐために広告であることを表示するように定められた経緯がある。その影響なのだろうか、2002年10月・12月のスタート時からわが国ではグーグルアドワーズ広告、オーバーチュア広告共に「スポンサーサイト」と表示されていることでも明らかである。 検索連動型広告の市場は、2010年には2000億を確実に超える 現在においては、既に9割以上のほとんどのユーザーが検索連動型広告を広告と認知していると推測されるから表示は必要ないかもしれない。このことからも、一般のユーザーからすれば、もはや検索連動広告は「広告の一部」としか見られていない可能性は否定できないのは事実だ。 しかしながら、検索連動型広告が広告であることを知りながら毎年のように2桁後半の成長が続き、これからもしばらく2桁の伸びが期待できるのはどういうわけだろうかうか。 Webマーケティングの視点からも無視できない点である。 見方はいろいろ考えられるが、おそらくそれは、検索連動型広告というものは、マス(大衆)に対して、一律に同じメッセージを伝える広告とは異なったものだからという見方もできるのではないだろうか。インターネット特有の双方向性とカスタマイズ性という強みを活かすことにより、検索連動型広告と呼ばれつつも、「それはあくまで広告」という冷めた眼で見られずに済むわけだ。 検索連動型広告のコミュニケーションとは キーワードマーケティングの点から考察すると、検索連動型広告は広告という特別なジャンルではなく、コミュニケーションの一部として捉えることもできる。人にどのように話すか、どう聞くか、その人にどのような印象を残すか、そしてファンにするか。それは広く告げる広告ではなく、個人に語りかける側面を持ち合わせている、つまり個告に近いWebマーケティングといえるのではなかろうか。 このことは反面、リピータにとっては「○○○」という普通名詞のキーワードで検索結果に表示されたはず、といった覚え方をしている場合もあるため、検索結果の表示順位が変更になった場合や企業が突発的に広告出稿を停止した場合などに、目的のサイトを探し出せなくなる可能性も否定できないためWebマーケティングとしては充分な配慮が欠かせない。 ◇ 片手にソロバン、片手に論語 ◇ 子夏曰く、小人の過(あやま)つや、必ず文(かざ)る。
(小人は、失敗をやらかすと、取り繕うことばかり考える)。(子夏)
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