LPO(ランディングページ最適化)に問題あり
ホームページプロモーションで実現する「コンソルジュマーケティング」 これからはコンソルジュマーケティングが大切だ。と、意識したのはかれこれ7~8年位前だ。コンソルジュとは何を意味するのか、そのときは、にわかに理解できなかった。そこで調べてみると、古くは19世紀のフランスで「管理人」「門番」を意味する言葉として使用され、現在では「質の高い究極のサービスを提供する」という意味で使われているようだ。そこで、筆者なりの解釈として謙虚で控えめな姿勢に徹し、宿泊客の求めに応じて、街の地理案内や交通機関・観劇のチケットの手配などをする何でも相談できる静かで気のきいた頼もしい存在の係りであり、ホテルの印象を左右する「ホテルの顔」と理解した。そうだ、そのとおりだ。これからのマーケティングはそうあらねばならぬとの意識を強く持ち、特にこれからの営業マンはそうでなければいけないとの認識をあらたにした。実際、コンピュータのシステム販売会社に勤務していた頃には、中途採用に全くの異業種に当たるホテルマンの採用を積極的に行ったものだ。確かにその洗練されたセンスは好印象をユーザーに与え、営業としての成績もよかった。しかし、最近ではコンシェルジュの意味が拡大解釈されているような気がしてならない。ビルの管理人でも(失礼)コンシェルジュと呼ぶケースもしばしばだ。もっともそれだけ期待のできる気のきいたサービスを提供してくれるのなら大歓迎であるが、果たしてホテル並みのサービスをしているのか、こころもとない感じがする。如何であろうか、杞憂であれば幸いである。ホームページプロモーションでもこれに似たケースが多く見受けられる。 サービスは、パッケージ(マニュアル)よりホテルマン並みのカスタマイズが大切 よくホテルマンは宿泊客の鞄と靴を見てサービスレベルを決めるといわれている。もっとも、それは人によってサービスレベルを落とすということではなく、その顧客のレベルに相応しいサービスを提供するということである。これこそが、一般的なパッケージ化されたマニュアルによる対応に比べて顧客1人ひとりにカスタマイズされた最高のおもてなしだといえるだろう。 ところが、これをホームページに置き換えて考えてみると、果たして、ホームページはカスタマイズされた最高のおもてなしを提供しているだろうか。確かに、ホテルマンのようにユーザーの鞄や靴をみることはできない。しかし、行動は見ることはできる。どのようなキーワードで、どのページから進入し、サイト内でどのような行動を取ったのかという情報が鍵になる。そこを分析して、カスタマイズされた最高のおもてなしを提供することができる。この解決策こそがホームページプロモーションたるゆえんであると考えている。 例えば、新車から中古車まで幅広い商品をそろえた自動車販売のサイトがあるとする。新車の販売ページから進入してきたユーザーと、中古車の販売ページから進入してきたユーザーは同じ顧客層といえるだろうか。もし、前者が「高級 新車」というキーワードで検索し、後者が「格安 中古車」というキーワードで検索したユーザーだとすると、当然に顧客層は違うと知ることができる。 多くの顧客を逃していますよ 何をいいたいか、このように入り口がわかればユーザーの属性の分類できるというわけだ。 若し、このときに「高級 新車」というキーワードに対応する高級新車のページや、「格安 中古車」というキーワードに対応する格安中古車のページが用意されておらず、これら全てのユーザーの入り口がトップページになっているとしたら、どうだろうか、ユーザー属性の分類はできないことのみならず、直ちにユーザーは退場してしまうだろう。このようなケースは思いのほか多く、想像するにほとんどのユーザーが該当しているのではなかろうか。このため、せっかくのユーザーを多く逃しているのは実に残念なことだ。アクセス解析をしてみるとSEOで上位j表示されているのにもかかわらず問合せや資料請求が極端にすくないのがこの典型だ。ホームページプロモーションとしては失格で、もっとも多くのサイトに遭遇するケースだ。 そのためには、ログ解析ツールを導入している企業なら、ホームページに訪れているユーザーがどんなキーワードで検索してどのページに訪問しているかを調べるみる必要がある。もしも未導入であるならば、Google Analyticsのように無料で精度の高い解析ツールも利用することができるので何の心配もいらない。 おそらく検索キーワードと訪問ページのコンテンツがユーザーに相応しいカスタマイズされたサービスになっていない場合は、御社Webサイトというホテルを訪れた多くのユーザーはチェックインすることなく、別のホテルに移動する可能性が高いことは間違いない。 一般的にはこのように対策をすることをLPO(ランディングページ最適化)といいますが、これにとどまらず、ユーザー1人ひとりにとってカスタマイズされた最高のおもてなしをするにはサイト内でのサービス全体をも最適化したコンテンツでお迎えしたいものです。 もはやホームページプロモーションとしてのSEM対策が当たり前のWebサイトの世界では、ユーザビリティやアクセシビリティを意識したサービスレベルの多様性は今にはじまったことではないが、これからは必須になってくるのではないだろうか。 ◇ 片手にソロバン、片手に論語 ◇ 子曰く、君子は食飽くことを求むるなく、居安きことを求むるなく、事に敏にして言に慎み、有道に就きて正す。学を好むというべきのみ。 (君子は飲食や住居など、安楽を求める肉体の欲望に負けてはならない。やるべき仕事はてきぱき片付け、発言には責任をもつこと。さらにその道の先達に師事して、独善性から脱却すること。こうあってこそ学問を愛するものといえるだろう)。孔子