検索エンジンの多様化
検索エンジンのサービスが始まった頃は、何とも素晴らしいビジネスモデルを考えたものだとその着眼点には感心しきりだった。他人の作成したホームページをただで利用しながらビジネスをするなんて誰も思いもつかなかったからだ。 もっともこのお陰で検索エンジンを利用したネットネットビジネスも盛んになり、SEO対策で“商売繁盛”している企業も多く輩出してきたのも事実である。ユーザーにとっても求める情報を探すのに便利この上もないのだから双方にとっても真にハッピーで結構なことではあるが。 確かに、このビジネスモデルに着眼した慧眼にはただただおそれいるばかりだ。しかも、この収益モデルはすこぶる単純でネット広告がほとんどといってもいいのはご承知の通りである。 かつて、SEM対策で新規開拓に目覚しい成果を上げていた頃には、YAHOO!のSEO対策にはディレクトリ登録は必須で、こぞって5万円の審査料金を払ってビジネスエクスプレスを利用して登録をしている。今ではそれほどではないにしても一時は上位20位までのサイトがYAHOO!カテゴリ登録サイドだらけであった。 カテゴリのタイトルや説明文は言うに及ばず、カテゴリの申請でもなるべくならページランクの高いカテゴリを選択した方が外部リンクとしてSEOに有利に働くのではないかと、こんなことにまでも随分と知恵を働かせていたものです。 YAHOO!電話帳にも登録した方がアルゴリズムの評価が上がるのではないかと信じて必要性がないのにもかかわらず登録を考えたことも、今思い出しました。しかし、SEO対策をしたキーワードが上位表示されればこの程度の費用も苦労もお安いものとYAHOO!に感謝で一杯でした。数年前にいただいたYAHOO!オリジナルの「トートバッグ」は現在も大事に使用しています。 ところが最近のYAHOO!の動向を見るとスポンサーサイトに出稿しない者は相手にしないといわんばかりで、SEO対策をやるのが馬鹿馬鹿しくなってきました。 検索順位を表示しなくなった!(2008年8月19日より非表示) 最近のYAHOO!の動きを見ているとこんなことがありましたね。数ヶ月前のYAHOO!検索では、検索結果すべてに順位が掲載されていた。いつもSEO対策を検証している立場からするとこれは大変便利だった。今は慣らされてしまったが、当時は検索順位の表示がされないことには少なからず軽いショックを受けた。 Googleは以前から順位の表示をしていないので、後追いのYAHOO!はGoogleと同じようにSEO対策を嫌ってそうしたものと勝手な推測をしていますが・・・・・、あながち間違っていないでしょう。 次はリスティング広告だ!(2008年12月2日) この広告枠の背景色が薄い肌色になっていたのでユーザーは広告との認識をもっていた(Googleは現在でも、もっと「濃い色」)。ところがこの色までなくして今や完全に白だ。そこにはうす~ぃ区切り線があるだけ。こんなことでスポンサーサイトと自然検索の見分けがつけにくくなった。さらにキーワードによっては4位のポジションにはYAHOO!ショッピングの指定席、それも画像つきです。「これって目立ちません?」。 これではSEOで1位に表示されてもクリック数は大幅に減りますね。まさに自然検索で1位~3位表示は上のスポンサーサイトと4位のYAHOO!ショッピングのサンドイッチ状態。せっかく上位表示されたのにもかかわらず影が薄くなり被害甚大です。 それよりも全体が広告ばかりになって満艦飾然として見苦しいといわざるを得ません。YAHOO!の目算は理解できますが、これでは検索者の利便性から見た場合はいかがなものでしょうか。 もうやり過ぎではないかとの思いを抱いています。 「株式投資の格言の中に『まだはもうなり、もうはまだなり』というのがありますが」・・・・・果たしてどうでしょうか? 企業ですから利潤を追求するのは当然としても、こんな検索者の利便性を考慮しない一方的な姿勢を見ていると経営が相当苦しくなってきているのかなー・・・・・と思わざるを得ません。気前のいいYAHOO!を知っているだけに余計心配です。 でも、つい先日の「週間投資金融情報誌日経ヴェリタスの巻頭特集の主要千社株価上昇ランキングを読むとヤフーは圧倒的な1位」。株主優先の風潮からすれば「できる社長」の条件とは株価を上げる社長であるから、おそらく井上社長の手腕に対する信頼は絶大でしょう。 だからこそ最近の動向が不思議に思えてなりません。企業は健全なる赤字部門を持つくらいの懐の深さが理想と考えている身にとっては、この先本当に大丈夫なのでしょうか。迷走しているのはUSだけにしてもらいたいものです。
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