北海道新幹線開業で最後の急行寝台『はまなす』廃止!
急行寝台 「はまなす」は、札幌-青森間の約480kmを一日一往復している夜行列車で、現在定期運行されている唯一の急行列車。かつて全国の鉄路を賑わした特急寝台「ブルートレイン」の面影を色濃く残す列車としても、人気を集めている。今年3月の北海道新幹線開業により臨時特急寝台「カシオペア」や特急「スーパー白鳥」、「白鳥」と共に廃止される。となると、北海道を走る寝台車の歴史にピリオドが打たれ、定期運行の急行も消滅する。
その「はまなす」は新幹線開業への切り替え工事があるため、最終運行日は下り「青森発→札幌行」が3月21日、上り「札幌発→青森行」が3月20日となった。最終運転の列車は上り・下りともに全車指定席での運転となるようだ。「はまなす」は現在では珍しい客車列車で夜行急行に似つかわしい列車だ。青函トンネル開通により廃止された青函連絡船の深夜便の代替えとして誕生している。1988年に運転が開始され、区間は青森~札幌駅間だ。どちらの駅からも22時過ぎに出発して早朝に終点へ着くダイヤで、青森~札幌を夜間に移動できる唯一の交通手段として役に立っている。
深夜の函館駅で急行寝台『はまなす』を撮る
「はまなす」が走る区間には多くの非電化区間があり、電車では全線を走ることができない。そのうえ、青函トンネルの安全性を考慮すると火災の危険があるディーゼル列車を走らすことは難しい。そのため、青森~函館間はED79形電気機関車・函館~札幌間はDD51形ディーゼル機関車が牽引することになっていている。それゆえに函館駅では機関車の付け替え作業が行われる。下り青森発22時18分の「はななす」が函館に到着するのは深夜の0時44分。ここでED79形電気機関車からDD51形ディーゼル機関車に交代して牽引するため、約40分停車、発車は1時23分だ。
せっかくの機会なので函館駅で「はまなす」をじっくり見送ることにした。なにせ、到着が深夜であるため函館ドッグに行った帰りに十字街で夜食用の函館名物「ハセガワストアの焼き鳥弁当(豚串弁当)」を購入、注文したのはタレの中サイズ(565円)。昨夜来の大雪で凍った道に足を取られながら赤煉瓦倉庫群横を歩いてホテルに戻った(ブーツを履いてきてよかった)。深夜の散歩に駅前のホテルを出たのは0時20分頃。薄暗くなった駅構内は昼間の喧騒が嘘のように静まりかえり、改札斜め前のベンチには乗客と思われる20人ほどが思い思いに列車の到着を待っていた。既に改札横事務室の照明も落とされて暗く駅員の姿は見えない。ボクはそのまま改札を抜け真っ直ぐ通路端まで進んで右に曲がり到着する8番線ホームに向かう。頭端式ホームの先端には既に三脚を立てて今か今かと待ち構えているカメラマンが1人。廃止が近づくこれからは、こうしたカメラマンも増えて場所取りが大変になりそうだ。いまから先が思いやられる。
到着間際になると急に人も増え、写真を撮るのも一苦労だ。ED79形電気機関車が到着すると写真を撮る間もなく切り離しは直ぐに行われた。ボクは人に迷惑にならないよう「はまなす」の各車両や「行く先表示」を撮りながら、ホームを小走りに前に進む。交代するDD51形ディーゼル機関車が来るのを待つためである。乗客の一部も降りて来てにわかカメラマンに変身、人数も一気にふくれあがりホームに溢れそうだ。JR北海道を定年退職した元国鉄職員のOBと思われる、頬がこけた年配の駅員さん(ロングコートと赤いラインの入った帽子がなんともお似合いだ)が間もなく到着するので、危険だから線路に近づかないようにと相変わらず大声で叫んでいる。しかし、ポイント前で待機しているDD51形ディーゼル機関車はなかなかやって来ない。ED79形電気機関車が到着してから、かれこれ30分近く経過しただろうか、やっと到着した。入線すると一旦停止して、直ぐに連結された。これはかなりの早業で写真を撮ること叶わず。間もなくDD51形ディーゼル機関車に牽引された「はまなす」はゆっくりと動き出し、深夜の函館本線を長万部駅から室蘭本線・千歳線を経て札幌に接続する「海線」ルートに向かった。薄暗かった改札横の事務室は明るく駅員さんがポツンと1人。寒気と静寂に包まれた広い駅構内はシーンと静まり返り、人の気配が全く感じられない。さあ、ホテルの大浴場は2時までだから急いで戻ろう。
面白い車両編成
列車編成は特急なら座席だけ、寝台列車なら寝台だけというのが多いが、「はまなす」は寝台車、座席車両、「カーペットカー」を連結している。普段は7両ですが、夏季の旅行シーズンなどには最大12両の長大編成で運転されることもある。寝台車は24系客車を使った開放B寝台のみで、座席車両は14系客車で一般的な特急車両に使われるような座席の自由席車両と、「ドリームカー」と呼ばれるリクライニング座席の車両がある。そして「カーペットカー」は、名前の通りカーペットに布団を敷いた感じの車両だ。
駅一覧(函館本線)
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