豪雪の岩見沢駅
かねてから石炭輸送で賑わった広い構内の岩見沢駅を訪れて往時を偲びたいと思い札幌発10時40分の区間快速いしかりライナーで向かった。北海道には毎年訪れているが岩見沢駅は通過ばかりで降りたことがない。 現在の岩見沢駅は当駅の所属線である函館本線と、当駅を終点とする室蘭本線の2路線が乗り入れ、全ての特急・快速列車が停車するので写真を撮るのも楽しみだ。
ばんばの像(そりを曳く馬)
3・4番線ホームは木彫りの「ばんばの像」が設置されている(写真参照)。とても大きくて迫力があります。1980年4月10日に設置され、ばんえい競馬(岩見沢競馬場での開催は2006年をもって終了)をPRする目的で、岩見沢市が海外でも活躍する旭川在住の彫刻家中川貞司さんへ依頼し作成された。製作費と付属のそりは岩見沢市が負担。馬具一式は馬主会長であった松浦慶三さんより岩見沢駅へ寄贈された。重量は1トンにも及ぶ。現在では帯広市が主催する「ばんえい競馬(ばんえい十勝)」のみが行われている。世界的にみても唯一となる形態の競馬です。
先頭部分を雪まみれにして、ホームへ到着する列車はカッコいい 。特急スーパー宗谷・特急サロベツ(宗谷本線・札幌⇔稚内)、特急スーパーカムイ(函館本線・札幌⇔旭川)、特急オホーツク(石北本線 函館本線・札幌⇔網走)は言うまでもなく、普段は注目に値しない地味な車両でも、雪にまみれると魅力は倍増する。その姿には、敬意に似た感情を抱かずにはいられない。跨線橋とホームから特急スーパーカムイ、特急オホーツクなどを撮ることができた。
岩見沢駅構内を跨線橋から俯瞰すると数え切れないほどの線路があるわりには留置されている車両は少ない。構内は一面の雪景色の中にがらんとして寂れているような印象を受けた。冬には岩見沢常駐のDE15形ラッセル車が、積雪の多い時に函館本線「岩見沢~滝川」、室蘭本線 ・石勝線「岩見沢~追分~新得」などの区間に出動することとなっている。
札幌では止んでいた雪が、白石を過ぎた辺りから雪が降り出した。岩見沢に近づくにつれで次第に雪は激しさを増していく。岩見沢では大雪で来る列車来る列車が雪まみれだ。これから室蘭本線に乗り換えて追分に向かうには時間はたっぷりあるので、駅周辺をぶらぶらした後、構内の観光案内所で昔の岩見沢駅を訪ねるが受付にいた女性は知らないようだ。奥から年配の男性が現れて東日本最大の操車場の話や廃線となった「幌内線」、「万字線」の線路やホームなどを丁寧に説明してくれた。現在の岩見沢駅は単式1面1線と島式2面4線を合わせた計3面7線を有する地上駅であるが、跨線橋と駅舎3階の改札口が直結しているため構造的には橋上駅に近い近代化された駅だ。
グッドデザイン大賞を受賞した現在の「岩見沢複合駅舎」からはとても想像できない古い駅舎側の単式ホーム1番線から幌内線、万字線が発着していた。今でも隣接するバスターミナルには周辺市車町村からのバス路線が集結しており、交通の要衝としての役目を担っている。これから乗る岩見沢発12時52分室蘭本線苫小牧行2両編は懐かしき1番線からの発車だ。列車が着くと高校生を中心とした乗客は、衣服に付いた雪を払いながら乗り込んでいく。ここからは、2両編成のディーゼルカーの旅路。石炭輸送が盛んだった時代、室蘭本線は貨物列車の主要な幹線だった。車窓の家々は寒さにじっと耐えているように見える。栗山に着くと雪は止み、高校生を中心とした乗客の多くが降りていくが、乗る人も多かった。列車は黙々と走る。下車する追分は有人駅なので、全て のドアが開くと、一斉に乗客は改札を目指して歩いていった。ボクは改札を出たり入ったりしながら通過する特急「スーパーとかち」の写真を撮ったり、新しくなった駅スタンプ(追分駅)を押したりしながら、しばし時間をやり過ごした。
2016/1/28(木)
駅一覧
※ 「赤」の駅は硬券と駅スタンプが表示されています。「青」の駅は駅スタンプのみです。
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