新規開拓営業の真の目的は何か?
ITコーディネータの勉強会の講師として招かれ、7月13日(金)午後6時から9時までの3時間、途中休憩を挟んでおしゃべりをしてきた。場所は大手町の東京サンケイビルの31階にあるSAPジャパンのセミナールーム。さすが眺めは素晴らしく東側には東京駅が眼下に広がり電車の行き来が良く見える。西側では皇居が一望でき、北寄りには特徴のある武道館の屋根が濃い緑に囲まれて見える。高いところから下界を見下ろすのは大層気分がいいものだ。随分と昔になるが以前に静岡(当時は日本システムテクノロジー専務と営業所長を兼務)で新規開拓に失敗して落ち込んでいるところを同行した地元の協力店の社長が高い所に上ると気分が晴れるよといわれ、その足で日本平に登ったことを思い出した。
この日の参加人数は約20人、主宰者の責任者は台風4号の余波で沖縄からの便が欠航で戻れず欠席であったが。さすがSAPジャパンだけあって設備は素晴らしく、部屋は横に広いせいか同一のスクリーンには2箇所も映り(プロジェクターもいいのだろう)、初めての経験だ。ときには夏の暑い盛りでも、資料とプロジェクターを抱え、肩にはミニスクリーンを背負い、その格好たるや出稼ぎスタイルよろしく額からは汗が噴出し全身汗びっしょりになって会場の区民館に息も絶え絶えやっとこさ、たどりつくのが通例である。
メンバーはITコーディネータの有資格者だけあって、さすがIT関係者が多く、元IBMのSE、大手鉄鋼会社のシステム部長等であり、なかには外資系の企業から大学院に入学して経営学を学んでいるITコーディネータ(後日、インタビューを受けることになる)も混じりまさにメンバーは多士済々であった。
SEO対策による新規開拓の落とし穴!
前半をSEO対策、後半は新規開拓の成功事例と分けて話をした。テクニック論は避け、経営の視点からの問題提起をしながら進めることにした。例えば、SEO対策を施工するにもただ単に目標としたキーワードを検索エンジンの検索により上位表示するのは目的ではなく、手段であることを自覚しなければ何等意味をなさない。なぜならば、幸いにも成功して上位表示を達成したとしても、検索した顧客になる見込み客(インターネット以外では、新規開拓の見込み客を増やして顧客にしていく手法から見れば逆転の発想、顧客になる見込み客を増やして新規開拓の顧客を増やす)がホームページを訪問したとしてもそれに適うだけの商品、品質、価格、サービスにアドバンテージがなければ即座にお客さんは逃げてしまう。もっとも逃さないためには、到達したページを最適化するLPO(landing page Optimization:到達ページの最適化)手法もあるが、小手先の域をでず、コンバージョン(転換:問合せや・資料請求・購入)まで結びつけるには自ずと限界がある。業者のいいなりでこの辺をかん違いしている経営者が多いのは残念なことだ。経営とは差別化競争であり1つより2つ、2つより3つ、更にと絶えず貪欲な姿勢がなければ後れを取り成功はおぼつかない。SEO対策とはそれらを知らしめる手段の1つであることを忘れてはならない。言い換えれば、市場にない商品、優れた品質、高い生産性による安い価格、顧客支持率の高い企業の理念より醸し出されるサービス、アフタフォローであり、このようなアドバンテージが前提になることをはっきりと意識する必要があるのではなかろうか。
◇ 片手にソロバン、片手に論語 ◇
子曰く、けだし知らずしてこれを作る者あらん。われはこれなきなり。多く聞きてその善き者を択びてこれに従い、多く見てこれを識らず。知の次ぎなり。
(知識にたよらずに独創的な見解を打ち出す者もいるにはいるが、これは私の方法とは違う。わたしはさまざまな意見を聞いたうえで、比較検討して納得いく部分を採用する。また、つねに見聞をひろげ、知識を蓄えるように心がける。生まれながらの知者なら、こんな努力はいらないだろうが・・・・・・・)。(孔子)
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