営業マンを増やしても見込み客は増えませんよ
新規開拓のコスト
昨今問題となっている官僚の不祥事に見るコスト意識の欠如は目に余るものがある。これは自分たちの組織が未来永劫につぶれないと考えているように思えてならない。民間であればとても考えられないことがチェックもなく日常茶飯事に何の疑いもなく平然として行われていることにはただ驚き呆れるばかりである。868本のホームランを打ち、誰しもが世界のホームラン王として認めるソフトバンクの王監督でさえ、毎年のように現役時代には来年は1本もホームランが打てないのではないかとの不安から、当たり前のように日夜懸命にスイングに磨きをかけた姿など果たして想像できるだろうか。筆者も中小企業の経営者のはしくれとしてとして30年以上の長きにわたり携わることができたが、経営が順調なときでも、いつも倒産の二文字が頭から離れず、いつも年末を迎えるとホットしたものだ。それがあったからこそ今日まで無事に過ごせたような気がしてならない。
時間当たりのコストを把握する
昨年まで、勤務していた会社では毎年行われる新入社員研修においては教育する項目にコスト意識を持たせることに特別に時間をかけるようにしてきた。それも可能な限り研修ではできるだけ具体的に例をあげながら説明をしてきた。曰く、年収が「300万円の新入社員」とすれば、年間の総労働時間はおよそ2000時間。時給にすると1500円、「年収600万円の社員」なら時給は3000円。この金額を聞いただけでものんびりとタバコを吸って無駄に時間を浪費する暇などあるわけがないといえますね。禁煙者には金品を支給する企業が多くありますが、何も健康面での配慮ばかりではないといえるのではないでしょうか。
給与の3倍を稼ぐ
しかし企業はこれだけでおさまらず、賞与・福利厚生費・経費などがかかるうえ、利益を生み出し、株主に配当もしなければなりません。理想的には給与の3倍を稼いでもらいたいのが本音です。従って年収300万円の社員であれば時給が1500円は間違いで、4500円に相当することになります。確かに、これではうかうかとタバコを吸っている暇などありませんね。社員と同じ仕事をしていながら、好むと好まざるにかかわらず社員への登用が厳しい格差社会といわれていますが、ある面から見ると考えさせられる問題といわざるをえないのではないでしょうか。
新規開拓のコスト比較
では、業種による違いがあるにせよ、新規開拓のための見込み客発掘のコストはいったいどのくらいかかるのでしょうか。筆者が勤務していた会社(老舗のソフトメーカー)では、営業マンの見込み客のノルマは3件/月、従って年間では36件。これを達成していないと毎月のインセンティブや賞与に影響がでます。自分の給与の3倍の営業粗利を確保していれ問題はないのですが、それ以下になりますと会社で定められている規定額から一定の条件で支給が減らされます。従って、継続的に毎月のインセンティブ及び賞与を規定額受け取るには給与の3倍の営業粗利はもとより、新規見込み客を電話外交やセミナー・展示会等で発掘しなければなりません。見込み客として認められるのは、一定の条件があり1年以内に結論がでると本人が申請して、上司が認めた案件になります。しかし、厳しいノルマとは全く思えませんが、実際にこの3件/月、年間36件を達成する営業マンは皆無といっていい状況になっています。経験年巣を重ねれば重ねるほど、この傾向は強く既存客に頼り、言い換えれば全面的に会社依存と言っていいでしょう。毎年のように平均の見込み客発掘は2件/月、年間では24件といったところでしょうか。そのため、優秀な営業マンンの採用には自ら先頭に立って、時間と費用を随分とかけてきたものです。なにしろ新規開拓が企業成長には最大の経営課題ですからね。
新規開拓・見込み客発見!
従って、営業マンの平均年収が500万円とすれば、新規見込み客発掘のコストは、年収ベースで見ると1件で約21万円になります。この年収はインセンティブと賞与を含んでいたとしても、企業として2倍は欲しいとこです。そうなりますと新規見込み客発掘のコストは1件42万円にもなってしまいます。勿論、新規開拓だけが仕事とは思っておりませんが、入社2~3年目の営業マンや新規開拓部門の営業マンは新規開拓が主たる仕事に変わりはないと思われます。この1件の「新規見込み客獲得のコスト42万円」以下で、何と筆者は実際にこのコストと同程度の予算でSEMを駆使して資料請求・問合せの件数を下図のごとく獲得することに成功しました。問合せ・資料請求の件数になっていますが、受注に結びついたのは営業マンの新規見込み客でリストアップしたのと同程度のコンバージョン率(資料請求・問合せから受注に成功した転換率)でした。この詳しい説明は次の機会に具体的にご紹介をいたし泰と思います。42万円の同程度に近いSEM対策コストで、結果として20倍~50倍の新規開拓の見込み客を発掘できたのです。着眼を変えて、今までの新規開拓を180度変えた逆転の発送で見込み客から顧客にするのではなく、顧客になる見込み客を発掘するのです。この新規開拓をできるのがWebを利用したSEM対策だlったのです。多言は要しません、もうおわかりですね!これにより月に37件、年間では447件の新規開拓のための見込み客を発掘、それも「買う気満々」まさに「売れる瞬間」です。営業マンの新規見込み客発掘の件数が2件/月ですから、まさに19人分の働きといっていいでしょう。
◇ 片手にソロバン、片手に論語 ◇
子曰く、君子は能なきを病(うれ)う。人のおのれを知らざるを病えず。
(君子は自分に実力がないことを気にかけるべきだ。自分を認めてくれる者がいないと、かこつのは筋違いである)。
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