IT専門家によるIT奇襲作戦
先週末にITのコンサルタント(ITコーディネータ、システム監査人補、中小企業診断士などの有資格者)の勉強会に参加した。話が有ったのは2カ月ほど前で「経営の視点から見たWebマーケティング」の趣旨で話をしろとのことであった。参加者はITに関しては豊富な経験と知識を駆使して企業の業績を向上に導くコンサルをしているのだから、それ相当な知識と問題意識を持ち合わせているのではないかと想像していた。ところが、実際は全員が「若葉マーク」なのでその辺をわきまえて話をしてもらいたいとの依頼であった。 未だにITの専門家でさえもこの程度の認識である。とくに「SEO、SEMなどをやる人間は胡散臭い世界の人間で若いオタクな人種の一部」が行なっている分野でとても信用できず、ビジネスとしてやるものではないと考えているようだ。一体全体、新規開拓をして売り上げる方法としてはどんな手法を講じているのであろうか。 実際のところ、ユーザー訪問の際や勉強会の講師をすると、参加者の皆さんから年は行っても40歳代かと思っていたが随分と年をとっているのですね・・・といわれることが多い(残念だが事実だからしょうがない)。確かに体力は落ちていることは否定しないが、その分、経験が豊富だし、まだまだ頭脳澄明、気力も充実、けして若者より向上心が劣っているとは思わないが・・・。 先日も、目に見えないものには一切の無駄金を使わないのが当社の方針(3年連続赤字で資本金を食いつぶしている。往々にしてベンチャキャピタルなどから多額の資金提供を受けている企業に多い)なのでSEOのように目に見えないものは相手にしないといわんばかりだ。だから業績が悪いので、このような不幸な経営者を持った社員は気の毒だ。赤字は1年限り、連続するようだと余程のことがないかぎり回復は難しいだろう。 今回は、そのような反省を踏まえて認識を改めていただくために、テクニック論は避けて実際に経験した成功事例を中心に進めることにした。これが意外と参加者の理解を深めるのに役立った。 参加者には「ERPの専門家」が多く、わかり易い例としてGoogle Adwordsのリスティング広告に出稿するとビジネスキーワード「ERPの平均クリックは単価412円」。月間検索数は60,500件もあるビックキーワードだ。クリック率が5%としても優に100万円を超えてしまう。これでは到底、資本力のある大企業には太刀打ちできないのは明々白々だ。ところがSEOで上位表示されれば費用はかからない。 儲かる会社の「Google化」大革命 Googleにはウエブ検索のほか、Gメールや、動画共有、地図に利用など、無料で便利なツールが揃っている。どれもが、ビジネスに充分利用できるものばかりだ。最近では、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる軽装備のIT技術も急速に普及している。これは、中小企業でも、大企業並みのIT環境を持つことが可能になってきたということで、中小企業にとっては大変有難いことだ。ネットワーク時代の到来で大企業は不利になってきた。 読み、書き、検索、そんな時代が来る これらのツールで情報武装をして有効に活用して収益を上げる中小企業こそがこれから生き残る道ではないかと強く考えている。ただ、ITを導入するだけでなくどう利用するかというセンスがカギを握ることになるだろう。まさにITリテラシーの高さこそが、会社を二極化する分水嶺になる。 低コストで情報発信“アイデア無限”のウエブ活用 その1つが格安で全国のユーザーにアピールできるインターネットの世界だ。広告料金を払えない中小企業でも、ウエブなら費用対効果は絶大だ。なのに、ウエブを利用したリスティング広告とかSEOの知識や関心の度合いが未だに低いのにはただ驚くばかりだ。 特にSEO対策を一刻も早くしないことには、主要キーワードの多くはSEO対策に熱心なライバル企業に独占されてホゾを噛む可能性は高いといえる。 着眼大局着手小局ではないが、やはり目の付けどころが悪いといくら努力しても徒労に帰す。往々にしてその逆の着眼小局着手大局が多いのは残念なことだ。しかし、そのような者を大物視する風潮も無責任で感心できない。蛮勇と紙一重で、このような人間が幹部だとしたらお先真っ暗だ。 インターネットを利用したWebマーケティングはいまからでも遅くはない、“早急に経営戦略の一環として取り組む”必要がある。既述のようにインフラをみてもまさに機は熟しているといえる。